私の見たドイツ映画【Good Bye Lenin!】
ドイツ映画の中でも割と好きで何度か見ている映画が【Good Bye Lenin!】です。
東ベルリンに住んでいる家族が、心臓が悪い社会主義支持者の母親がショックを受けないように東西ドイツ統一をひた隠しにするためにがんばるというストーリー。
この映画では、母親のために偽物の東ドイツを作っている必死な姿がコミカルでもあり、西側の価値観に浸食される東側の姿が少し哀しくもあり、更に母親を熱心な社会主義支持者にした真実が明らかになると、どうしようもなく切なくなるという映画でした。
私が生まれた頃はドイツは東西ドイツに分かれていて、両ドイツを分断していたベルリンの壁が崩壊したときは若者たちが壁を壊す映像をテレビで見ていました。そんな世代だからなのか、この映画を見ると、当時子供ながら冷戦で世界中がピリピリしていた時代が変わるときの大きなうねりのような、あの頃の独特な空気感を思い出して感慨深く見てしまいました。見る人の世代などによって印象が変わる映画かもしれないですね。
映画の中でも登場した、東ドイツの有名な車トラバント。(マスターキートンの漫画の中では「紙でできている」と言われている場面もありましたね)ベルリンのDDR Museum(旧東ドイツ博物館)に行ったときには、実物が展示されていて見学者が中に乗ってハンドルなどの疑似操作ができました。
そしてこの博物館は、まさにグッバイレーニンの映画の中の世界。この美術館を見学した後で、もう一度この映画を見ると映画の細かい部分の面白さがよくわかります。
同じベルリンにあるチェックポイント・チャーリー博物館も見学したことがありますが、こちらは東西に分断されたベルリンの状況を中心にこの分断がひきおこした哀しい歴史を多く展示しているのに比べ、この旧東ドイツ博物館は東ドイツの状況や当時の生活様式などが展示してあり、分断されたドイツのネガティブな部分についての展示は少なめなので、気楽な気持ちで見学ができると思います。
博物館や美術館が多いベルリンの中でもこの旧東ドイツ博物館はあまり有名ではないようですが、本当に面白いのでベルリンに行く機会があれば是非行ってみていただきたい場所です。私もベルリンに行く機会があれば是非もう一度行きたいです。